SDGsとお箸について 何気ない日常がサスティナブルな行動に変わる

世界は、持続可能な開発目標(SDGs)を達成するために、より持続可能な生活様式へのシフトを求められています。その中で、ひとりひとりの日常の小さな行動が大きな影響を持つことを忘れてはなりません。日本文化に根付いた箸がもつポテンシャルを活かすことで、SDGsの実現に一歩近づけることができるかもしれません。さあ、お箸を手に取り持続可能な未来への一歩を踏み出しましょう。

漆のお箸 文化を守りつつ未来を築く
日本人の伝統的な食文化「和食」が世界ユネスコ無形文化遺産に登録されてから10年以上が経過しました。日本が世界に誇る食文化である和食を支える存在「お箸」に着目し、未来への保護・継承活動を促進しましょう。安心安全でサスティナブルな天然素材「漆」のお箸についてご紹介させていただきます。
漆は塗料、接着剤など広い使い道があります。また優れた特性を持っており、一度固まった塗膜は熱や湿度に強く、堅牢かつ強靱でガラスと同じぐらいの硬度があると言われております。また酸やアルカリにも侵されない耐薬品性に優れており、さらに高い抗菌性を持ちます。一旦乾燥してしまえばアレルギーを引き起こすこともないなど安全・安心な素材なのです。国宝や重要文化財が長い年月を経ても現在の私たちが実際に見ることができるというのは、こうした漆の優れた性質も大きく貢献しています。

マイ箸 SDGsのグローバル目標14「海の豊かさを守ろう」に貢献しよう
最近よく耳にするSDGs(エスディージーズ)、「SDGsってよく聞くけど一体何?」「意識しなきゃと思ってはいるけど、具体的に何をすればいいの?」そう思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。比較的かんたんに取り組むことが可能な「マイ箸」をご提案させてください。
マイ箸の利用は現在深刻化している海洋プラスチックごみの問題と関係が深いです。世界全体で年間数100万トンを超えるプラスチックごみが海洋に流出していると推計されており、環境汚染によって生態系、生活環境、漁業、観光などへの悪影響が懸念されています。日本では環境省が中心となって、プラスチックごみを減らそうと模索中です。マイ箸を持ち歩き、割り箸を包装しているプラスチックごみの削減や、プラスチックスプーンやフォークの使用量減少に貢献しましょう。
知っておきたい「きらい箸」お箸をつかう食事のマナー

出典:農林水産省(https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1605/spe2_02.html)をもとにして画像作成
お箸を正しく持つことは、まわりの人々と気持ちよく食事をすることにつながります。食事をより楽しむために、知っておきたいことばかりです。例えば椀をいただくときの箸の持ち替えは椀を両手で取ってから右手で箸を取り、椀を持った左手の人差し指と中指の間に箸先を挟んで受け、右手を箸に沿って滑らせて持ち替えるのがきれいな所作です。汁物を飲む際は、箸は椀の中の具を押さえるようにして飲み箸先を周囲に向けないようにしましょう。汁だけを飲むときは、箸は箸置きに置いたままでもよいです。このようにきれいなお箸の使い方は意識すると多岐にわたる所作があります。知っているようで意外と知らないことも・・・?いま一度、改めてご自身が「きらい箸」をしていないかチェックしてみてください。

洗い箸(あらいばし):汁物などで箸を洗う所作。
受け箸(うけばし) :箸を持ったままおかわりをする所作。
移り箸(うつりばし)&渡り箸(わたりばし) :いったん取りかけてから他の料理に箸を移す所作。
拝み箸(おがみばし) :両手で箸をはさみ、拝むようにする所作。
落とし箸(おとしばし) 食事中に箸を床に落とすこと。
返し箸(かえしばし)&逆さ箸(さかさばし) :大皿から料理を取り分ける際、箸を上下逆さにして使うこと。神仏と食事を共にするという信仰的意味では上は神仏が使う側である。取り箸を使うのがマナー。
掻き箸(かきばし): 食器の縁に口を当てて、箸で掻き込む所作。また、箸で頭をかく所作。
重ね箸(かさねばし) :ひとつの料理ばかり食べ続けること。「ばっかり食い」「片付け食い」「一丁食い」は食事作法のマナー違反です。
噛み箸(かみばし) :箸先を噛む所作。
空箸(からばし): 箸を一度料理に付けたのに食べないで戻す所作。
咥え箸(くわえばし) :箸をくわえること。または箸を口にくわえたまま手で食器を持つ所作。
こじ箸(こじばし): 食器に盛ってある料理を箸でかき回し、自分の好きなものを探り出す所作。
込み箸(こみばし) :箸で口に大量に料理をほおばり、さらに箸で奥へ押し込む所作。
探り箸(さぐりばし) :器や鍋の中の料理を箸でかき回して探る所作。
指し箸(さしばし) :箸で人・ものを指し示す所作。
刺し箸(さしばし) :箸を料理に突き刺して食べる所作。
直箸(じかばし) :取箸を使わずに大皿の料理を個人の箸で取ること。(場合によっては「直箸で」とすすめられることもあります。中国や朝鮮半島では直箸が友好の証でもあります)
すかし箸(すかしばし) :骨付き魚の上側を食べた後、骨越しに裏側の身をつついて食べる所作。
せせり箸(せせりばし) :箸を爪楊枝代わりにして歯間をせせる(尖ったものでつつく)所作。
膳ごし(ぜんごし) :膳の向かいにある料理の器を手で取り上げないで箸で取る所作。
揃え箸(そろえばし) :箸を食器やテーブルに突き立てて揃えること。
叩き箸(たたきばし) :箸で食器を叩き音を出す、またはその音で人を呼ぶ所作。昔から「茶碗を叩くと餓鬼が来る」と言われ、悪霊を招くとされている。
立て箸(たてばし)&仏箸(ほとけばし): 箸をご飯に突き刺して立てること。仏式の葬儀で用いられる枕御前であり、忌み嫌われます。
違い箸(ちがいばし) :木と竹など異質の箸を一対にして使うこと。
ちぎり箸(ちぎりばし) :箸をナイフとフォークのように両手に1本ずつ持って料理をちぎる所作。
舐り箸(ねぶりばし): 箸をなめる所作。
涙箸(なみだばし): 箸の先から汁をぽたぽたと落としながら口に移す所作。
握り箸(にぎりばし): 二本の箸を幼児の様に握って食べる所作。古来、食事中の握り箸は攻撃の準備とみなされた。
撥ね箸(はねばし) :嫌いなものを箸でよけること。
二人箸(ふたりばし) :食器の上で二人一緒に同じ料理をはさむこと。
振り上げ箸(ふりあげばし): 箸を手の甲より高く上げる所作。
振り箸(ふりばし):箸先についた汁などを振り落とす所作。
迷い箸(まよいばし): どの料理を食べようかと迷い、料理の上で箸をあちこちと動かす所作。 「惑い箸(まどいばし)」「なまじ箸」とも言う。
もぎ箸(もぎばし) :箸に付いた米粒などを口でもぎとる所作。これを行わないために食事の最初には汁物をいただく(箸を湿らせる)のが作法とされる。汁をすする際には箸は用いないという作法もあるため矛盾がある。
持ち箸(もちばし) :箸を持った手で同時に器も持つこと。
横箸(よこばし) :箸を二本揃えて持ち、スプーンのようにすくい上げる所作。
寄せ箸(よせばし) :箸で遠くの食器を手元に引き寄せる所作。
渡し箸(わたしばし): 食事の途中で箸を食器の上に渡し置くこと。「もういりません」という意味になる。懐石での八寸では取り箸が渡し箸で共されます。

日本の箸・箸置きは外国の方への手土産に選ばれています。
日本に興味をお持ちの外国の方への手土産にお箸が選ばれています。お箸・箸置きはかさばらないので贈られた方の荷物の負担にならないのも魅力です。名入れ、文字入れもプレゼントで人気で、世界に一つだけのお箸・箸置きになるのでとてもおすすめです。
外国の方へのギフトの場合、通常はアルファベットの大文字で名前を入れる方が多いのですが、あえて漢字の当て字(ダニエル=太仁衛瑠など)やひらがなやカタカナで名前を入れて日本的なお箸や箸置きに仕上げるのも大変喜んでいただけると思います。

サステナブルで優れた特性を持った漆のお箸ですが、それらを取り巻く状況は今、とても厳しいのが現状です。漆の国内自給率はわずか3%、従事者の高齢化、後継者の不足などにより、危機的な産業構造になってきております。モノを大切に使う文化、自然と共生した日本人の生き方の象徴でもある「漆」
漆にはこれまで持続可能な社会や文化を創ってきた先人達の多くの知恵や想いが詰まっていおります。ジャパンプライズは天然素材「漆」をもっと身近な存在にし、漆の恩恵を多くの方が享受できるようにし、持続可能な社会の実現であるSDGsの達成につなげていきたいと思っています。このブログを通じてSDGsについて関心を寄せていただける機会が増えることを願っております。