時を超えて薫る美 ― 高岡銅器の香炉

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人類の長い歴史とともに発展してきた香りの文化。
香りを愛で、愉しむ日本人の美意識や感性、磨き抜かれた技が息づく伝統の逸品

香炉(こうろ)とは?

香炉は、香を焚くための器です。古くは仏教儀式や茶道、香道などで使われてきましたが、現代ではインテリアやリラクゼーションアイテムとしても人気があります。香木やお香を焚いて、空間を清めたり、心を落ち着かせたりする役割があります。

日本のお香とは?~香りに込められた美意識~

お香はもともと仏教とともに日本に伝来したとされています。6世紀頃、インドや中国からの仏教伝来とともに香木(主に沈香や白檀)が伝えられ、仏前で焚かれるようになりました。

奈良時代(8世紀)には朝廷の儀式で使われ、平安時代(9〜12世紀)には貴族たちの間で香りを楽しむ「薫物(たきもの)」として、調香の文化が発展しました。

室町時代には「香道(こうどう)」という、香りを聞き分ける芸道が生まれ、茶道・華道と並ぶ伝統文化として確立されました。

日本のお香の種類

日本のお香はその用途や形状により、さまざまに分類されます。

形状による種類


線香(せんこう):細長い棒状。最も一般的。仏事や日常使用に。

コーン型:円錐形で燃焼時間が短く、インテリア向き。

渦巻き型:長時間焚くのに適し、虫除けにも使われる(例:蚊取り線香)。

練香(ねりこう):練った香を炭で温める。香道などで使用。

印香(いんこう):型押しして作る可愛らしい形の香。贈答用や飾りにも。

用途・目的による分類

仏事用香:供養や法要の際に使われる。落ち着いた香り。

香道用香:香木(伽羅・沈香・白檀など)を炭で焚いて「香りを聞く」。

日常用・リラックス用香:ストレス緩和や空間演出のため。

虫除け香:天然成分(除虫菊など)を使った実用的な香。

日本のお香をたのしむワンポイント

・香りは「強く香る」より「ほのかに香る」程度が日本流の美。

・香炉や香立てを使って、安全に楽しむ。

・部屋の換気や湿度によって香りの感じ方が変わるので、気分や時間帯に合わせて選ぶのもおすすめ。

日本のお香は、単なる「香りづけ」を超えて、心の静けさや季節感、美意識を表現する文化です。香りを通して、自分自身と向き合う時間を持つことができます。

高岡銅器の香炉は、単なる実用品を超えて、心を癒し、空間に品格を与えてくれる「芸術品」です。

日本の伝統美を暮らしに取り入れることで、日々の時間が少し豊かに感じられるはずです。

日本のお香の有名ブランド3選

①【薫玉堂(くんぎょくどう)|京都】

創業:1594年(文禄3年)/日本最古の御香調進所

本願寺の御用達香舗

②【松栄堂(しょうえいどう)|京都】

創業:1705年/香道・仏事・日常用香に幅広く対応

香道でも愛用される格式高い香舗

③【日本香堂(にほんこうどう)|東京】

創業:1575年/国内最大手のお香メーカー

全国の仏壇店や百貨店でも購入可。海外展開も積極的

イベント「香り博」

『香り博』は2024年春に東京・京都で初開催されたイベントです。
香りの老舗3社(鳩居堂、松栄堂、日本香堂)が、「春の心地よい季節に街歩きをしながら香りを楽しんでほしい」という想いと、日本に1400年続く「香文化」を未来に継承することを目的として企画しました。無印良品も加わり、さらに広がりを見せています。

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